キャビンアテンダントという職業に憧れる人は多いですが、どのような1日を過ごしているのか疑問に感じたことはありませんか。華やかなイメージが強いですが、実は体力や集中力が求められるハードな一面もあります。
当記事では、現役外資系CAである筆者が、日々どのようにしてお客様の安全を第一に機内の快適さやホスピタリティを提供しているのか、実体験をもとにとある1日について解説していきます。
私が執筆しました
Moa 18歳。
2023年3月高校卒業。同年8月にクルーラウンジ(マレーシア)へ入学。入学から8か月後に2社より内定を獲得し、その内のシンガポールベースの外資系エアラインにて活躍しながら、カウンセラーとしても活動中。
出勤前の準備
早朝からの出発準備
キャビンアテンダントの1日は、フライトの数時間前から始まります。一般的に、国際線のフライトを担当する場合、出発の3〜4時間前には空港に到着しなければなりません。その為、早朝フライトでは、夜明け前からの準備は必須になります。十分な睡眠を取ることはもちろん大切ですが、時差やフライトスケジュールによっては、調整が難しいことも実は多いです💦
【出勤前ルーティン】
①ユニフォームの準備:ユニフォームは常に清潔で整った状態にしておく必要があります。制服の規定に従い、身だしなみを整えます。
②必要書類の確認:パスポートやID、フライトライセンス、フライトのスケジュール表、健康診断証明書などの重要書類を確認します。
パスポートやID、フライトライセンスを忘れてしまうと乗務できないので、キャビンアテンダントにとって1番大切なものと言っても過言ではありません!!
特に入社したばかりの時は、忘れ物がないか不安になり、家を出る前に持ち物確認を何度もするというのはどのキャビンアテンダントも経験済みだと思います!フライトに慣れてきた頃に忘れ物をしてしまうクルー多いと耳にしたこともあるので、チェックリストを個人的に作成し、出勤前に必ず確認するようにしています!!
③体調チェック:健康状態は常にベストであることが求められます。地上と機内での感じ方は異なりますので、フライト前には必ず健康管理や体調の自己診断を行います。体調が優れない時や、少しでも体調の違和感がある場合はすぐに会社へ知らせるようにしています。我慢をしてしまうと却ってお客様や会社に迷惑をかけることがあるので気を付けています。
出社後の流れ
ブリーフィング
空港に到着したキャビンクルーは、フライトに備えてブリーフィング(事前打ち合わせ)に参加します。このミーティングでは
・フライトの詳細
・乗客の情報
・特別な手配が必要なケース(車椅子利用者や乳幼児の搭乗など)
について話し合います。また、気象条件やフライト中の安全確保についても確認をする重要な時間になります。ブリーフィングではセキュリティ面でも重要な指示が出されます。クルー全員でセキュリティについて再確認することは乗客にとって安全なフライトにするために欠かせません。
次に、乗客の詳細情報や特別なサポートが必要な乗客の確認を行います。事前に乗務するクルー同士が詳細なお客様情報を知っておくことでよりスムーズなサービスを提供することができます。例えば、2歳以下のお子様と搭乗されているお客様です。離陸前に必ずお子様用のシートベルトをお渡しして、非常口や緊急事態の際にすべきことなどを伝えておかないといけません。
その際、事前にどの席に座っているか、フライトに何名お子様が座っておられるかを知っておくことでスムーズな対応ができます。こうした事前の確認はお客様に安心感を与え、お客様より気軽にご相談、お声がけいただくための雰囲気作りにもつながり、大切なサービスの1つとも言えます。
離陸に向けてのオペレーション
搭乗準備と機内業務
機内でのセッティング
ブリーフィング後はお客様を迎える準備を行うため、機内の準備を開始します。
緊急装備の確認
非常用設備が正常に機能しているか、救命胴衣や酸素マスク、非常用出口の点検を行います。
客室の整頓
快適な空の旅をお届けできるよう、座席の清潔さや荷物棚の確認を行います。
ドリンクやミールの準備
フライト中に提供される食事や飲み物の準備も、お客様のご搭乗前に行います。
過去にケータリングのスタッフが違うフライト用のミールを準備していた事がありました。このような場合はすぐに責任者に伝え、対応してもらうことはもちろんですが、乗務中の全クルーへの情報共有も欠かせません。
限られた時間の中で、いつもと違う事が起こると慌ててしまいそうになりますが、そんな時だからこそ冷静さを保ち、自分にできる事を見つけて効率的に動くことが大切ですし、他のクルーと協力し、臨機応変に行動することの大切さを学ぶ事ができた日でした!
機内でのサービス開始
乗客の搭乗案内
お客様のご搭乗とともに、私たちのサポートも開始です。お客様を笑顔で迎え入れながら、座席への案内や荷物の収納を手伝います。搭乗完了後は、安全な離陸に向けた最後の準備を行います。
シートベルトの確認
全乗客の座席ベルトが正しく装着されているか確認します。
緊急脱出ルートの説明
安全ビデオを使用する場合と、キャビンクルー自身が、乗客に緊急時の手順や脱出ルートの案内(セーフティーデモ)をする場合があります。
機内サービスとトラブル対応
離陸後、キャビンアテンダントはすぐに機内サービスを開始します。飲み物や軽食、そしてメインの食事が順次提供されます。乗客が快適に過ごせるよう、必要に応じて毛布やイヤホンの提供も行います。
ミールサービス
座席に合わせて提供される食事や飲み物の配布には、チームワークが欠かせません。特別食(ベジタリアンやアレルギー対応食など)など確認も行います
トラブル対応
機内での乗客トラブルや体調不良を訴えるお客様へは、迅速な対応が求められます。急病人が出た場合、キャビンアテンダントは救急措置の知識を駆使し、状況に応じた判断を行います。
実際に、フライト中にお客様が体調不良を訴えられたり、緊急でクルーの助けが必要になることも少なくありません。どんな状況でも冷静で的確な判断ができるよう、特にメディカル面はフライト前に入念に確認することが重要です。
過去のフライトでも嘔吐によるショックで体調を崩されたお客様がいらっしゃいました。日々どれだけ私たちが緊急事態に備えて訓練をして、知識を身につけていると言えど、瞬時に落ち着いて行動に移せるかは全く別の話であると痛感しました。
初めてのことでサポートしかできませんでしたが、予測できない事態に備えて、いつでも落ち着いて行動に移せる心構えをしておきたいと思いました。
安全確認と接客
フライト中も、キャビンクルーは安全確認を怠りません。定期的にキャビン内を巡回し、異常がないかを確認します。また、お客様とのコミュニケーションも大切です。質問に答えたり、フライト中の快適さをサポートするために、細かな気配りが求められます。
機内アナウンス
到着時間や天気、目的地の情報などをアナウンスし、正確な情報をお客様へ提供します。乗客の要望に対応:特に長時間フライトでは、お客様とのコミュニケーション機会も多く、丁寧できめ細やかなホスピタリティが必要になります。
個人的にお客様からの質問で多いのは、目的地についての質問が多いように感じます!例えば、
・乗客が入国に必要な書類
・荷物の受け取り場所
・到着時間や現地の寒暖について
自身の勤務地の空港知識だけでなく、目的地の空港やその他の情報も知っておくとお客様の安心にも繋がり非常に喜ばれます!
着陸前の準備
目的地に近づくと、キャビンアテンダントは着陸準備を行います。全てのお客様を無事に目的地までご案内できるよう、座席ベルトの確認や手荷物の収納、機内の整理を行います。
座席ベルトと荷物のチェック
全てのお客様が再度座席ベルトを締め、手荷物がしっかりと収納されているかを確認します。
機内清掃の準備
到着後の機内清掃に向けて、座席や通路の点検を行います。
到着後の業務と片付け
お客様降機後のキャビンアテンダント業務は
・搭乗者リストの確認
・忘れ物のチェック
・機内の清掃
などがあり、次のフライトに向けて準備を進めます。
キャビンアテンダントの1日の終わり
クルーの1日は、フライトが終了してもすぐに終わるわけではありません。
空港での解散手続きや、次のフライトに向けた報告書の作成など、いくつかの後処理があります。
また、フライトによっては異国での宿泊を伴うこともあります。その為、想像以上に多岐にわたる業務で構成されています。 フライト中のお客様へのサービス業務だけでなく、安全確保や緊急時の対応といった『お客様の命』に関わる業務もキャビンアテンダントの使命です。責任は重く、体力的にも身体的にも非常に厳しい世界ですが、それ以上にやりがいも多く、お客様からの『ありがとう』の一言で活力が生まれ、日々たくさんの学びがあり、常に自分を成長させられる素晴らしいお仕事だと日々感じています。
いかがだったでしょうか。
当記事が皆さんの『キャビンアテンダント』になる夢を叶える一助になることを願っています😊
『CA専門.com』では、現役の外資系CAとのカウンセリングを実施しています。
『外資系CAを目指しているけど、何から初めていいか分からない』
『本当に私が外資系CAをめざせるの?なるために何が必要なのか相談したい』
など、不安に感じていること、その一歩が踏み出せない人はまずは貴方のCAの先輩へご相談ください。
カウンセリングのお申込みは弊社公式LINEよりお気軽にどうぞ!