私たちキャビンアテンダントは、全てのお客様へ快適で安全な空の旅を提供する為に、プロフェッショナルな接客スキルを備えています。機内という限られた空間で、いかにリラックスしてお過ごしいただけるか、常に技術を磨いています。当記事では、現役の外資系キャビンアテンダントである筆者が実践している接客スキルについて詳しく解説し、どのようにしてお客様の心を掴み快適な空間を提供しているのか、その秘訣をご紹介します。
私が執筆しました
Moa 18歳。
2023年3月高校卒業。同年8月にクルーラウンジ(マレーシア)へ入学。入学から8か月後に2社より内定を獲得し、その内の1つ、シンガポールベースにて外資系CAとして憧れのCAライフを送りながら、CA専門.comではカウンセラーとしても活動中。
CAの基本的な接客スキル
心地よい挨拶と第一印象
接客は、お客様がご搭乗される瞬間から始まります。第一印象が重要であることはどの業界でも共通ですが、特にキャビンアテンダントの場合は、お客様の安全と快適さを保証する役割を担っているため、安心感を与えることが求められます。
その為、私たちキャビンアテンダントは常に
・笑顔での挨拶
・クリアな言葉表現
・礼儀正しい身だしなみ、所作
を徹底しています。
笑顔とアイコンタクト：お客様のご搭乗時、穏やかな笑顔と真っすぐなアイコンタクトを取ることで、安心感と信頼を与えます。これは、フライト中でのお客様からのリクエストや、何かしらのサービス、サポートが必要な場合に、気軽にお声がけいただけるような環境作りに繋がっています。
声のトーンと表情：TOPに合わせた声のトーンや表情での機内サービスを意識することで、よりリラックスした空間を提供しています。笑顔での接客を心掛けることで、お客様から話しかけやすい印象を持っていただくことが、お客様との信頼関係を築くことに繋がります。自然な笑顔での接客は非常に効果的であり、必須のスキルともいえるでしょう。
細やかな気配り
当然ですが、お客様ごとに求められるサービスは異なります。だからこそ私たちキャビンアテンダントは、常にお客様のご様子を伺い、小さな変化にも気づけるようチームで取り組んでいます。こうした小さな積み重ねが緊急時での早急なサポートに繋がります。
例えば、子供連れの家族や高齢者の方へは事前必要事項を確認し、ご着席いただくまでサポートを行います。
特別なニーズに対応
お食事の選択や座席の調整、必要なアメニティの提供など、個々のニーズに合わせたサポートを行います。お客様からの様々なリクエストに可能な限りお答えできるよう、スムーズなご搭乗を提供できるよう、お客様をお待たせしないよう、チームワークを生かした迅速な対応が求められます。
お客様の体調の変化や何かに困っている様子をすぐに察知しなければいけない場面は数多くあります。
例えば、かなりのお酒を摂取されたであろうお客様がいらっしゃる場合、搭乗の際に顔を覚えておけば、そのお客様が座っている周辺を頻繁に確認でき、体調が悪くなった時でもすぐに対応する事ができます！
優れたコミュニケーション能力
シンプルでわかりやすい説明
キャビンアテンダントはどのような場面でも、お客様より頂いたご質問など端的なファクトベースでお伝えする必要があります。例えば、安全確認や気象条件によるフライトの遅延についてのアナウンスなどが該当します。専門用語を避けて、シンプルかつ分かりやすい表現で伝えることがポイントです。クルーとのコミュニケーションも同じで、お客様情報の共有や個々のタスクの進捗の確認など、些細なことでも常に報告し合うことを大切にしています。
お客様は必ずしもネイティブとは限りません。
非ネイティブのお客様でも、相手に伝わりやすいように、聞き取りやすいように、適度な速度で、はっきりとした発音で話すことを心掛けています。
その為にも、お客様のちょっとしたご質問にも真摯に耳を傾け、適切にリアクションを取ることが、信頼関係に繋がり、より安心した空間でお過ごしいただけます。
言葉以外のコミュニケーション
機内では言葉だけでなくボディランゲージや視線、身振りも重要な役割を果たします。言葉でのコミュニケーションが難しい場合、笑顔やジェスチャーを使って理解していただけるよう努めましょう。
ただし、国や文化によって同じジェスチャーでも、異なる意味になってしまうものもあるので注意が必要です。
視線を合わせる：コミュニケーションの基本として、視線を合わせることで、相手に対する真剣な姿勢を示します。
ボディランゲージの活用：安全確認やサービス提供時に、相手に伝わりやすいジェスチャーを取り入れて、お客様へ伝えるべきメッセージを的確にお伝えます。
緊急時の対応スキル
迅速かつ冷静な対応
キャビンアテンダントのもう1つの重要な役割は、緊急時の対応です。
突発的な状況に直面したときでも、迅速かつ冷静に対応し、お客様を安全に導くことが求められます。
その為にも私たちは日頃から厳しい訓練に耐え、『保安要員』としての強い責任感を常に持ち続けています。
想定外の事案が発生した時でも、自信を持ちお客様の安全を第一に迅速な行動ができるよう、フライト前のマニュアルの確認なども隅々までチェック✅が必要です。
チームワーク：クルー全員が一丸となって協力し、状況を最適にコントロールするためのチームプレーが重要です。役割分担を正確かつ迅速に行い、自分の役割は責任を持って最後までやり遂げるというスキルはキャビンアテンダントに欠かせないスキルの1つです。
あらゆる緊急事態に備えた訓練を定期的に行い、実際のフライトでも自信を持って対応できるよう常に心掛けています。
緊急事態の際はお客様の混乱を鎮め、必ずマニュアルに沿った対応を行います。
これは
①（特別な場合を除き）混乱を生じさせない
②キャビンアテンダントの初動は全員が同じでなければいけない 為です。
お客様誘導時に使用する言葉や非常事態の際の飛行機のドアの開け方、安全に避難するために使用する飛行機内の安全装置の使い方などは特に重要視しておく必要があります。
お客様の安心感を保つ
緊急時にお客様がパニックに陥らないよう、安心感を与えることもまた大切な役割の1つです。
冷静なアナウンス：非常事態が発生しても、冷静かつ丁寧に状況を説明し、お客様へ必要な行動を促します。落ち着いたトーン(声)でのアナウンスや、的確な指示を行うことで、混乱を最小限に抑えています。
適切なサポート：体調が悪化したお客様へは、速やかに医療手配を行うなど、迅速かつ的確な対応を行います。
ホスピタリティ精神
パーソナライズドサービス
単に標準的なサービスを提供することがキャビンアテンダントの仕事ではありません。個々のお客様に合わせたきめ細やかなサービスを提供することが大切です。
例えば、ビジネスで日常的に飛行機をご利用いただくお客様へは、
・機内Wi-Fi
・充電スポット
・読書灯の案内
・睡眠中の食事サービス
などについて事前にお伝えしておくことが、お客様のニーズに寄り添ったサービスに繋がり、こうした少しの配慮を行うことがお客様の満足度の向上につながっています。
お客様の名前を覚える：できるだけ多くのお客様の名前を覚えてお呼びすることは、表面的な特別感を与えると思われがちですが、お名前でお呼びすることで、ご本人様確認にも繋がり安全面での確認にもなります。
好みや希望に応じたサービス：お客様からのお飲み物やお食事、座席のリクエストに対して迅速に対応し、個々に寄り添ったサービスができるようにしています。
小さな気配りが大きな違いに
小さな心配りが、実はお客様にとっては大きな安心感や快適さに繋がることがあります。
長時間のフライトで疲れているお客様に対し、クッションや毛布を追加で提供する、飲み物の補充をこまめに行うなど、些細でちょっとした気遣いを能動的に行うことが、お客様にとっての【またこのエアラインに乗りたい！】につながります。
お疲れなご様子が伺えるお客様へはリフレッシュ用のタオルをお渡しするなど、さりげない気遣いを忘れずに行います。
もちろん、お客様へ安心感を感じていただくために、どのような状況でも笑顔かつ、毅然とした振る舞いを意識しています。
まとめ
いかがだったでしょうか
キャビンアテンダントに求められる接客スキルは、単なるサービス提供ではなく、プロフェッショナルなホスピタリティそのものです。
日々の訓練と経験を積み重ねた結果が
・迅速かつ冷静な対応
・お客様に寄り添った気配り
・常に心地よいコミュニケーション
に繋がっています。
こうして身につけた最強接客スキルは、空の旅をより快適で安全なものにし、お客様にとっての忘れられない体験を作り出すための重要な要素になります。キャビンアテンダントを目指す方にとって、これら接客スキルを習得することが、成功への第一歩となるのではないでしょうか。
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