【現役CAが解説】外資系CAになるには?|必要なスキルと資質、採用プロセスについて

目次

外資系CAとは、一言で言うと、外国の航空会社で働くキャビンアテンダントのことを指します。

外資系CAになるにはハードルが高いと思っていませんか?

実は、コロナ渦が収まり海外旅行が再開した今、外資系CAの採用需要が高まり、採用倍率が下がっているため、今が狙い時なんです。

この記事では、実際にシンガポールでCAをしている私が、外資系CAになるために必要なスキルや資質、実際の採用プロセスに加えて、外資系CAとしての生活についても紹介します。

外資系CAの仕事内容と役割

年齢と学歴

一般的に、外資系航空会社は21歳以上で、高校卒以上の学歴を求めます。

*ちなみに私の航空会社では18歳から応募できます。

私の見解としては、アジアの航空会社は18歳以上、中東の航空会社は21歳以上からが多いような気がします。

言語スキル

外資系CAとしては、英語は必須です。他の言語を話せると更に有利になります。

*必ずしも英語と日本語以外で他の言語も話せないといけないわけではありません。日本語を話せている時点で大きな加点となります。しかし、どこの航空会社も高い英語力を求めてきます。実際のトレーニングや他のクルー・お客様との会話は全て英語となるからです。

英語に関する資格に関して

英語力を証明する資格を持っているに越したことはないですが、絶対に持っていないとCAになれないというわけではありません。

私も実際に高校一年の時に受けたTOEIC 650点と英検2級しか持っていません。面接で重要なのは、いかに面接官と英語でコミュニケーションが取れるかで、面接官もそこを重視しているので、持っていないからといって絶対に取らなければならないわけではありません。受ける場合は、実力試しで挑戦してみる程度でいいと思います。

ただし、最終学歴が高校卒業の場合は、英語力を証明する資格(主にTOEIC)を求めてくる航空会社がある場合があります。

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身体的な要件

フライトを安全に行える健康状態、視力、身長など、身体的な要件が定められます。

視力は裸眼でよく見えなくても、一般的にはコンタクトレンズ、メガネが使用可能です。しかし、航空会社によってはメガネ禁止のところもあるので注意が必要です。

身長は、アジアの航空会社が158cm以上、中東の会社が160cm以上のところが多いようですが、これも航空会社によるので、ご自身で確かめるようにしてください。

外資系CAになるために必要なスキルと資質

サービス精神

乗客に対して最高のサービスを提供するための意識とスキルが必要です。

 

実際に航空会社のトレーニングの中でも、どのようにサービスを行うべきかのトレーニングがあります。しかし、より良いサービスを提供するには、今までの仕事やアルバイトでの経験の方が多いに役に立つと感じました。

サービス業での経験があると面接で使える話のネタも増え、面接対策にもなりますよ。

マルチタスク能力

複数のタスクを同時に処理できる能力が求められます。

実際の業務の中で、一つの仕事に集中できる状況はなかなかありません。他のクルーから頼まれたことをしている間に、お客様から注文をいただくことなんて日常茶飯事です。忙しい時には3つ4つの仕事を一度にこなさなければならない時もあります。

空間認識力と危機管理

非常時の対応や乗客・自分たちの安全のため、空間認識力と危機管理能力が必要です。

もちろん非常事態に備えて常に準備できていることは重要です。しかし、普段の業務から周囲に気をつけていなければなりません。

例えば、飛行機のギャリー(機内の前後にあるキッチンのような所、基本CAがいる所)は狭いので、数人のクルーが同時に作業していたり、カートを出したりする時は周囲に注意し、声をかけあわなければなりません。

オーブンを開けたり、熱湯を使ったりなど、お互いに注意していなければ怪我をしてしまう場面は本当に多くあります。

体力と持久力

長時間のフライトや夜勤、重い荷物の取り扱いなど、体力と持久力が求められます。

CAとしての仕事は思っていたよりも重労働です。私もCAになる前はある程度覚悟できていましたが、想像以上に大変です。重いカートを引かなければならないですし、特にお客様から持ち上げて欲しいと頼まれる荷物は本当に重いことが多いです。

また、生活リズムを掴むのも難しいので体調管理には十分気をつけなければなりません。

異文化理解と柔軟性・多様性

国や地域をまたいだ多様な環境で働くため、広い視野と柔軟性を持つことが求められます。

特に外資系CAとして働くと、様々な文化的背景を持ったクルーと一緒に働くことになります。もちろん宗教や考え方が違うので、日本で常識だと思っていたことが通用しないことが多々あります。それはもちろんいい面もありますが、受け入れ難いものもあるので、そのような場合にどう対処できるか、とても大事になってきます。

私のトレーニングクラスでは日本人は私だけでしたし、実際のフライトで日本人クルーと一緒に乗務することは滅多になく、いつも違う国の人たちと乗務するので、文化の違いや考え方の違い、様々な違いを尊重しなければなりません。

それは、クルーに対してだけではなく、お客様に対しても同様です。私はそのような様々な違いに触れることができるのも外資系CAとしての魅力だと思います。

外資系航空会社の採用プロセス

日系航空会社は年に1回、採用を行いますが、外資系航空会社は不定期で、1年間に何回か開催されます。

また、受けたい航空会社が面接を行なっている様々な国で、何回も挑戦することができます。(2回目は一定期間空けてからでないと受けられない航空会社もあります。)

また、事前に申し込みをせず、当日、直接会場に行ってそのまま面接を受ける形式もありますが、ここでは航空会社から通知をもらってから面接を受ける形式で紹介します。

ステップ1 : 書類選考(オンライン申し込み)

受けたい航空会社のオンラインサイトでフォームに必要事項を記入して申し込みます。ほとんどの航空会社では、ここで履歴書も一緒にアップロードします。

これはオンライン上の書類選考みたいなもので、ここで通過した場合には、航空会社の方から二次面接の案内が届きます。

この二次面接の案内には基本的に

・日時

・場所 (どこかのホテルで行われる場合がほとんどです。)

・必要な持ち物

・服装、ドレスコードに関して

・注意事項

などが記載されていますので、しっかりと読んで面接に備えましょう!

この案内のメールは本当に突然来ます。私も様々な航空会社を受けましたが、二次面接の前日にメールが来たこともあります。ですから、いつでも面接を受けられるように日頃から準備できていなければなりません。遅くても、オンライン申し込みをした時点で面接対策の準備を始めましょう。

ステップ2 : 面接

実際に会場に行って面接を受けます。ここからが面接本番です。

ここは航空会社によって様々ですので詳しい説明は省きますが、

・履歴書を面接官に渡す (面接官と簡単な会話をします)

・グループディスカッション(テーマは様々、数回行う会社もある)

・英語試験 (ペーパーテスト)

・グルーミング (身長チェック、タトゥーなどがないか)

・最終面接

などを一日、または数日かけて行います。

各ステージごとに通過したかどうか、その日のうちに知らされることがほとんどです。見事、最終面接まで進めた場合は、最終合格通知が当日、翌日、または数日後に届きます。

見事合格できた場合、航空会社から、渡航予定日・入社予定日を伝えられるので、あとは入社に備えて準備するだけです!

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ステップ3 : 健康診断

航空会社によっては、

・内定から渡航までの間に日本で一回

・渡航してから現地でもう一回

の、合計2回、健康診断を受けなければならない場合があります。

この健康診断で問題がなければ、いよいよ入社となります。

入社したあとは、厳しい訓練が待っています。入社するまでの間に、英語の勉強などできることはやっておきましょう!

または、訓練が始まったら本当に忙しくなるので、渡航した国が初めての場合は、探索や旅行など最初に満喫しておくのもいいかもしれません。

外資系CAとしての生活はどんな感じ?

外資系CAになるということは、海外で生活をする、ということが基本になります。

海外で、CAとして生活をするとはどういうことなのでしょうか?簡単にご紹介します!

生活スタイル:不規則だが、国際的な生活スタイル

外資系CAになると言うことは、海外に住むということです。

もちろん宗教や文化も違えば、食事も違います。日本での常識が通用しないことが多いので、様々な違いに適応していかなければなりません。

しかし、知らなかった世界を見ることで、自分の世界や考え方を広げることができ、日本だけにとどまるよりも、遥かに成長することができます。

とはいえ、外資系CAのフライトは国際線がメインになり、お給料をもらいながら様々な国に行くことができることが、大きなメリットです。

お客様もほとんどが外国籍の方なので、日々たくさんの発見があります。

外資系CAになると様々な国を訪れることができるので、私は滞在先で日用品などを調達するようにしています。いいコスメやスキンケア、またはオーガニック食などをフライト先の国で、いつも安価な価格で買うといった、工夫をしています。

時差ぼけと健康管理:長距離のフライトや時差による影響の管理

色々な国に行けるのは魅力的ですが、もちろん自分の体調管理にも十分気をつけなければなりません。

CAとして働く以上、私たちの生活は不規則になります。朝、昼、夜、という概念がだんだん消えていきます。フライトがあれば、何時だろうが起きなければなりません。

時差ボケで眠れない、疲れが取れないなどはよくあることですが、自分なりの対策を見つけなければなりません。

また、長距離フライトや短いフライトが連続して続く場合もあります。そのような時にいかに睡眠をとり、疲労を回復させるかが重要になってきます。

私の航空会社では、6時間フライトの後に最低限の休憩時間で、更に短いフライトが2日ほど続く、ということがしょっちゅうあります。そのような時は早めにシャワーを浴びて、フェイスパック・スキンケアをして、携帯を見ないようにして寝ちゃいます!

ワークライフバランス:仕事とプライベートのバランス

フライトスケジュールに従って、プライベートの予定を立てなければなりません。

しかし、時には“スタンバイ”というスケジュールも考慮に入れないといけません。

”スタンバイ”とは、欠員が出た場合の予備としてクルーを用意しておくことで、どのフライトに呼ばれるかわかりませんし、もしかしたら呼ばれないかもしれません。もし長距離でレイオーバーのフライトに呼ばれてしまった場合は自分のスケジュールが数日変わってしまいます。呼ばれなかったとしても、いつでも呼ばれた時に備えて、遠出をすることはできません。

時には、機体の変更で急にフライトがキャンセルになってしまったり、何時間も遅延することも考えられます。

このように1ヶ月のスケジュールが事前に決まっていたとしても、変更になる可能性が大いにあるので柔軟に対応できるように予定を立てなければなりません。

私たちは毎週休みが決まっているわけではないので、友達との予定を立てるのは、とても大変です。友達と予定を立てる時は、いつも予備の日まで空けておいてもらうようにしており、フライトスケジュールで友達と予定が合わなくなった場合には、一人で家でゆっくりしたり、外出して気分転換をしています。平日の空いているタイミングに出かけられるのはCAの特権の一つかなと思います。

外資系CAになるためのコツとアドバイス

成功のコツは、

・高い英語力

・様々なサービス業の経験

・多様な文化の違いやお客様、クルーに対応できる柔軟な考え方

・不規則なスケジュールや長時間フライトに耐えられる体力や健康管理

など、外資系CAに求められるスキルを身につけることです。

こうしてみると難しそうですが、基本的な条件としては

・高校卒業以上の学歴

・ある程度の身長

・健康的な体

があれば外資系CAになれるわけです。ですので、まずは固定観念や自分にはできないという考えは捨て、様々なことに挑戦してみてください。

意外な経験が、面接での面接官との会話や実際の業務で役に立ったりするものです。

今は必要なスキルを持っていなかったとしてもこれからの行動次第で外資系CAになることも夢ではありません!

最後に

外資系航空会社の採用活動は、1年の間に複数回、様々な国で行われるため何度でも挑戦できます。

日系航空会社の面接のように、失敗したらまた一年後、と言うわけではないので、あまり気負わず最初は、外資系航空会社の面接はどんな感じなのかな?ぐらいの気持ちで参加してみてください。

参加することによって、自分に足りないものや課題が見えてくると思います。

面接では、様々な国から受けにくる受験者が多いので、いろいろな文化背景を持った方たちと知り合うことができます。もし合格した場合には、彼らと共にトレーニングを受けることになる可能性が高いので、ぜひ多くの人と話をしてみてください。

それによって緊張がほぐれ、面接にリラックスして臨むこともできると思います。

様々な挑戦を乗り越えることで、皆さんも立派な外資系CAになることができると信じています。空を飛ぶ夢を叶えるために、小さなことからでもいいので、今すぐ行動してみましょう!